ARIA-素敵なものは無限大なヒーリングコミック-

生きていれば色々な体験をし、様々な感情を抱くでしょう。
楽しいこと、嬉しいこと、悲しいこと, etc.
しかし現代社会を生きる私たちはそんな当たり前の感情すらも忘れてしまうくらい疲れているのも事実です。
今回紹介するのは、そんな戦う現代人に素敵な癒しをもたらしてくれる作品です。

引用元https://comic.mag-garden.co.jp/aria/index.html

 

舞台背景

西暦2300年代の火星。火星はテラフォーミングされて水の星「アクア」と呼ばれていた。
物語は入植地の1つである「ネオ・ヴェネツィア」で動き出す。
ここは私たちが知るイタリアのヴェネツィアをモデルにした観光都市でありながら、
日本人の入植地が近接していることや四季があることから、日本文化の影響も受けている。

引用元http://www.mag-garden.co.jp/view.php?mode=view&select=comics&index=%EF%BF%BD%EF%BF%BD&page=2
そんなアクアに「マンホーム」(地球)から物語の主人公である「水無灯里」(みずなし・あかり)がやってくるところから始まる。
灯里は「ウンディーネ」と呼ばれるゴンドラ漕ぎになるべくやってきたのだ。
そんな彼女が一人前を目指す日々を切り取った物語です。

 

どんな物語なの?

ARIAは「日常の再発見」が主なテーマだと著者は考えています。
忘れたり見落としがちな事柄、人の温もり、季節や時間の移ろいなどを、
とにかく優しく丁寧に描かれています。
悪意がほぼほぼ排除されており、生命に関わる大事件や陰湿な展開は無く、
どこまでも平和で優しい世界が広がっています。

引用元https://comic.mag-garden.co.jp/aria/historia.html
ゴンドラ漕ぎの修行をしつつ、友人や先輩とお茶したり、遊んだり美味しいものを食べたり、
四季折々のイベントに参加したり、綺麗な景色を見に行ったり、
時には摩訶不思議な体験をしたりとまったりほっこりします。
完璧すぎるとか、むず痒くなるとも言えますがほんとピュア100%な物語なんです。

 

ARIAの素敵ポイント

素敵その1 登場人物が素敵


引用元https://comic.mag-garden.co.jp/aria/historia.html

3人は別々の会社でライバル関係なのですが、先輩の影響もあってかいつも合同練習に励んでいます。
実はこの3人の先輩は水の3大妖精と言われる超一流ウンディーネであり、
彼女ら自身も灯里たちと似たような仲だったりします。

作中ではこの師弟関係のお話もそこそこ出てきます。
この他にも街に暮らす様々な住人や観光客、
摩訶不思議な世界の住人がネオ・ヴェネチアの世界を彩ります。
時には郵便屋さんのお手伝いで集荷作業をしたり、
またある時にはトラゲット(渡し舟)の漕ぎ手をしたり、
貿易品のヴェネツィアン・グラス運送なんてことも。
ウンディーネには色々な仕事が舞い込んできます。
お得意様もいれば、一期一会の出会いもあります。
どの出会いでも灯里の素敵パワーが発揮され、
優しく素敵な物語を紡ぎます。

 

素敵その2 ネオ・ヴェネチアが素敵

日本に住む私たちにとってヴェネチアと聞くとただ漠然と水の都くらいの印象ではないでしょうか。
ネオ・ヴェネチアはそんな印象を和のテイストで彩った、
非常に親しみやすい架空の都市です。
現実のヴェネツィアの観光名所も多数登場します。
有名な場所ではサン・マルコ広場やカナル・グランデを始め、ドゥカーレ宮殿やカフェ・フローリアン、
ため息橋やリアルト橋などでしょうか。
細かいものだと墓地の島サン・ミケーレ島や不幸の石なんかも作中に登場します。
というか描写だけなら有名どころはほぼほぼ網羅されています。
それに加えて漫画ならではの地下都市や浮島とよばれる浮遊都市なんかもあり、
アクアが未来の火星のお話であることを意識させられます。
文化面も現実世界を踏襲している描写が多々あります。
ヴァポレット(水上バス)やトラゲット(渡し舟)、
ヴェネツィアン・カーニバルやヴェネツィアン・グラスと言ったもの。
レデントーレや海との結婚というイベントや、
年越しでお豆を食る(日本で言う年越し蕎麦的な)とか、使い古した物を投げ捨てると言った風習なんかも。
お花見や風鈴売り、お稲荷さんに千本鳥居と言った日本人的要素も。
ネオ・ヴェネツィアはこれだけでも魅力に溢れる舞台であるのは間違いありません。
しかしこれは著者が考えるにこれは表の魅力なのです。
灯里のセリフに以下のようなものがあります。
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「私…地球(マンホーム)出身でして街はどこも美観化と合理化が進んでいてスッキリしたもんです」
「買い物も仕事もこことは違って全部家でできるし便利ですよ」
「でも…そのスッキリして便利な街の姿が物足りなく感じてしまうんですよねー」
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これは第一話でのセリフです。
現実世界でも世界規模で都市化が進んでいますし、
ネット通販などを利用すれば、様々なモノが手に入ります。
物語の舞台ではテラフォーミングや星間旅行もできる程進んだ技術を持っているので、
確実に現代日本以上の生活水準でしょう。
言い方を変えれば、生活に困ることもなく、
ただ何となくでも生きていけるという社会になっていると想像できます。
それを安定と取るか味気ないととるか・・・
きっと灯里は後者だったのでしょう。
便利で何でも手に入るからこそ、
自分自身の存在意義に疑問を感じてしまったのかもしれません。
無粋な考えかもしれませんが、東京で社会人をして疲れたから地方に帰って実家を手伝う的な感じに近いのかもしれませんね。
著者は現実のヴェネツィアに行ったことはありませんが、
本やネットなどの情報によると総じて観光には良いけど、
住むのには厳しい都市と評されています。
車や自転車は禁止されていますし、
水害や地盤沈下などの問題もあるそうです。


また有名観光地であるが故に都市のキャパシティ以上の人がなだれ込み、
現地の人の生活に支障をきたしているとか。
また観光客のマナーもよく問題になっています。
ARIAでもその様な問題が描写されています。
ヴェネツィア同様に車の乗り入れは禁止されますし、
アクアアルタ(高潮)で都市機能が麻痺すると言った現実とリンクした物。
漫画独自の問題として、気候管理が人力のマニュアル調整なので残暑などの季節のズレが生じるなんてことも。
しかしそんな不便も灯里を始めとするネオ・ヴェネチアの住人にとっては、
受け入れ楽しんでいる節が多々あります。
裏の魅力は、読者に人が本来持っている穏やかで寛容な心を励起させるのではないでしょうか。

 

素敵その3 恥ずかしいセリフが素敵

ARIAには名言(迷言も!?)・名シーンがいっぱいです。
著者は何度もARIAに救われてきました。
嘘偽り誇張表現無く本当の話です。
大学進学で地元を離れ見ず知らずの土地で暮らすことになり、大学のレベルについていけず挫けそうだった時、
病気になって自暴自棄になった時、他にも著者は至る所で挫け逃げてきました。
そんな時にARIAに助けを求めるのですが、
キャラクターのやり取りでほんと泣いちゃうんですよね。
幸福論しかり人生論だったりするのですが、
こういった格言にありがちな堅さとか偉ぶった感じは一切ありません。
ほんと自然に心にすとんと広がっていきます。
例えるならコーヒーにミルクを入れてかきまぜる感じですかね。
そんな素敵恥ずかしなセリフの中で著者が気に入っているものを幾つか紹介します。

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「そんなモノ(苦しい時や悲しい時)は
より人生を楽しむための
隠し味だと思えばいいじゃない
自分の中で変えてしまえばいいのよ

何でも楽しんでしまいなさいな
とっても素敵なことなのよ
日々を生きてるってことは

がんばっている自分を素直に褒めてあげて
見るもの聞くもの触れるもの
この世界がくれるすべてのものを
楽しむことができれば
この火星で数多輝く水先案内人(ウンディーネ)の
一番星になることも夢じゃないわよ」
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「あの頃の楽しさに囚われて
今の楽しさが見えなくなっちゃもったいない」
「あの頃は楽しかったじゃなくて
あの頃も楽しかったよね」
「きっと本当に楽しいことって比べるものじゃないのよね」
「今楽しいと思えることは今が一番楽しめるのよ」
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「いつでもどこでも何度でもチャレンジしたいと思った時が真っ白なスタートです。
自分で自分をお終いにしない限りきっと本当に遅いことなんてないんです」
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誰がどんな場面で言ったのかは是非原作もしくはアニメ作品を見ていただきたいので省略しましたが、
ARIAにはまだまだ沢山の素敵恥ずかし名セリフが存在します。
人によっては理想論すぎて共感できなかったり、
頭の中お花畑と吐き捨てられそうでもありますが、
それはそれで仕方ないとも思います。
シチュエーションは違えど原作でも灯里はこう言ってますし。
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「その人が嘘モノと感じるならそれはその人にとっては嘘モノなんでしょう。
人の価値観は十人十色ですもんね。
でも貴方が嘘モノだって言われて傷つくのは、貴方の想いが本物で大切なものだからですよ。」
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ほんと人はそれぞれ個性も体格も思想もなにもかも違います。
でもそれこそが人の味なのではないですかね。

引用元https://comic.mag-garden.co.jp/aria/historia.html

 

製品情報

ARIAシリーズは、天野こずえによる漫画です。基本的に一話完結式物語。
原作漫画は前日譚であるAQUAが全2巻。本編であるARIAが全12巻。AQUAはエニックス版(絶版)とマックガーデン版(新装版)が存在する。ARIAはマックガーデンより出版されている。この作品から読み始めても内容は理解できる。
今から購入するのならば完全版である「ARIA The MASTERPIECE」全7巻がおススメです。
連載当時のカラーページが完全再現されており、
上質紙ベースの退色しにくく保存性にすぐれた本文用紙など完全版に相応しい仕上がりになっています。アニメ展開されており、テレビアニメが3作品、OVAが1作品の計4作品。映画上映作品もアリ。


ドラマCDや小説、インターネットラジオ、コンシュマーゲーム・モバイルゲーム化もしている。
アニメ音楽は一聴の価値あり。