NHKプロフェッショナル佐渡島庸平/大ヒットマンガ編集者から独立起業!ヒットの請負い人

講談社から実力マンガ編集者として活躍した後にCORKという漫画家のエージェント会社を起業した佐渡島庸平氏のイメージ画像

https://cakes.mu/posts/402 より
渡島康平氏

2016-3-16 追記あり!佐渡島庸平氏つながりで気になる特集

が見つかりましたのでシエアさせてください。タイトルが、

鈴木健×田川欣哉×佐渡島庸平「イノベーションが加速する時代にコンテンツのつくり方はどう変わる?」

の前後編です。2016年3月4日に電通デザイントークに掲載されたコンテンツです。

佐渡島庸平氏はあくまで編集者の立場として司会を務めています。価値のある媒体とはなんだろう?という興味のある方へぜひ読んでみたら刺激になると思います。

前編: 「SmartNews」を生んだ 研究者・鈴木健の思想~不明瞭な仕事をする人が次の時代をつくる

後編 :3人それぞれの「コンテンツの定義、つくり方」をめぐるトーク

大ヒットの裏にプロ編集者の支えあり!佐渡島庸平にNHKが仕事の流儀を迫る

今88ちゃんねるから改めて特集したい人物「マンガ編集者そして経営者の佐渡島庸平氏」を紹介したくてウズウズしています。

なぜ編集者という職業の第一人者として佐渡島庸平氏をとり上げるのでしょうか?

それは、マンガに限らず作者が謝辞として編集者にお礼を述べているページが巻末によくあるのを筆者が見かけておきながら深く考えたことがなかったのを改めてかんがえさせられたからかもしれません。

例えば以下の様な巻の文章をよく読みませんか?

「この作品は編集を担当して下さったxx氏なしには生まれなかった、改めてxx氏に感謝したい。」

88ちゃんねる担当の筆者は、いつも上記のようにお礼を言われる編集者の存在に疑問を抱いていたのです。

  • 仕事を与えて内容を書かせておきつつも、締め切りを守らせて書かせるのが編集の仕事ではないだろうか?
  • よく漫画家が担当編集者に電話をかけられて、原稿を落としそうなのでもう少し時間を下さいと嘆く場面の数々。
  • 原稿を描くことそのものから逃亡しようとして編集者から逃亡を図るマンガ家や小説家など。

力作と呼ばれる作品を描いている作家さんを尊敬をするのは普通の感覚だと思うのですが、そもそも編集者って作家の監督者でお礼をいう意味がわからないそんな感覚が筆者にはずっと残っていたのです。

それが、NHKプロフェッショナル~仕事の流儀の放送を見て、今回特集するマンガ編集者の佐渡島庸平氏の生き様を見るにつけ目からウロコが何枚も落ちました。なので88ちゃんねるに遊びに来て下さる方に編集者という仕事の面白みの少しでもお伝えしたくて今回の特集を組みます。初回は2014年12月の放送され2015年に入り再放送がありました。見逃した方にも参考になればと思います。

***NHKプロフェッショナル仕事の流儀についての再放送はこの88ちゃんねるではできません。申し訳ございません。

NHKオンデマンドもぜひご活用下さいと一応アピールしておきます

黒子としてのマンガ編集者の生き方を見習おう

さりげなく登場するCORK(*2)代表で経営者かつマンガ編集者の佐渡島庸平氏ですが、灘高から東大に合格しさらに大手出版社の講談社に入社します。

そして、配属された部署はコミックモーニングという週刊雑誌を担当していました。

  • 宮本武蔵を描いてヒットしたバカボンド
  • ドラゴン桜「だから、お前ら騙されたくなかったら損して負けたくなかったらお前ら勉強しろっ!手っ取り早い方法を教えてやる、お前ら東大に行け!」(売上およそ600万部)阿部寛のキメ台詞で有名な人気ドラマにも。ドラゴン桜のオリジナルブランドの教材も出ましたし、参考書や副読本も多いです。
  • 働きマン
  • 宇宙兄弟(売上およそ1,400万部)

アニメ化やドラマ化などの実写化などヒット作のオンパレードです。

NHKプロフェッショナル 仕事の流儀では、佐渡島庸平氏(放送当時35歳)が北海道の三省堂書店に売り込みしているところがプロフェッショナル仕事の流儀の映像映しだされ始めました。

コミック担当の書店員さんと名刺を交換する傍らで、店員さんへプロモーション用のプレゼント攻めをしていきます。「テンプリズム」という作品の拡販用のDVDやお店の名前を書き入れてあり(三省堂 札幌書店様と見えます)漫画家のサイン入りの色紙ですとかいわゆる販促のための営業活動です。

「すごい気合を入れていてちょっとでも売上を伸ばしたいと思っていろいろなとこに挨拶して回ってて」

「むちゃくちゃ力入れて作ってるんで」

マンガ編集者の担当と出版社の営業担当を兼ねるというスタイルはそれほど定着していないようです。佐渡島庸平氏のスタイルは常識破りの営業戦略と評されます。また出版業界の革命児との異名も持ち合わせているようです。

佐渡島庸平氏がさりげなくキメ台詞を出します。「僕らの会社の考え方は、

贔屓(=ひいき)にしてくれる書店さんにをうちは贔屓したいと思ってて」

と直接的には感じられるほどには伝えさせないプレッシャーというよりもお願いをしつつもぐっと来ます。もしもDVDの再生ができないようでしたら、書店員さんが個人的に見るだけでも構いませんとあくまでソフトに売って欲しいというゴリ押しとは違うスタンスで売り込んでいました。

NHKプロフェッショナル 仕事の流儀のナレーションでは佐渡島庸平氏を「この男、ただのセールスマン」ではないと番組を始めます。

書店員さんも(個人的に)見させて頂きますと実際のマンガ編集者と対面で販促の打ち合わせをしていることそのものにフレッシュな感情を抱いているように筆者には感じられました。

講談社という大手出版社からコミックモーニングで大ヒットを飛ばして、さらに起業!

佐渡島庸平氏は朝に7時には出社を済ませていた?!

東京スカパラダイスオーケストラのある曲を何度も聞きながら歩いて出社してきます。社内ではいつも圧倒的な1番乗りだそうです。

これでも、周りでベンチャーやっているような人はもっと早いようですねと謙虚です。使っているのはデスクトップのMacが薄消しで映っています。

  • 「楽して成功している人はいない」
  • 「人の倍の早さで働いて3倍の時間働く」
  • 「僕以外の失敗事例がほとんどない」

これは働かされている立場から生まれないコメントだと筆者は強く感じました。雇用される立場でさもすればこんな体育会系?!ブラック系企業では働くのは避けたいところです。

しかし、自らマネージメントし経営する側の立場にある側の人間としては共感出来る要素も多いのではないでしょうか。むしろ筆者は惹かれて憧れます。例えば88ちゃんねるで特集を組む筆者が

  • 楽してたくさんの訪問者を迎えるられることはない
  • 人の半分の遅さで特集を組んで3分の1の時間コンテンツに関わっていて閑古鳥
  • ニュースサイトとして多くの失敗事例は無数に存在し工夫を怠ることは許されない

このようなことを筆者が述べてもほとんど訴求力がありませんよね。あったら嬉しいですが。。。

やはりドラゴン桜以降の手応えが欲しさを起点に独立。やがて脚光を浴びるようになるに至った!

ちなみにドラゴン桜の原作者は三田紀房氏です。

番組冒頭で色紙のテンプリズムの作者が佐渡島庸平氏とはかなり歳の差のある曽田正人氏。

佐渡島庸平氏は「曽田はもっとできるんだから、こんなこと描いてちゃだめだ」と厳しく諌める関係にあるようです。曽田氏はなんて佐渡島氏との関係をなんて幸せなんだろうと言います。

作家の佐渡島庸平氏であるわけじゃありません。もちろん原案を作ったわけでもありません。あくまで、作家のサポートに徹します。新しい社会経済情勢や歴史、雑学から自分の経験など提供しつつ作家さんにいかに高い品質で作品を作ってもらい、そのクオリティの高い作品をどれほど広く世に知らしめるのか?黒子に徹して作家さんを応援しています。

佐渡島庸平氏の仕事への手応えが最高潮に達したのは三田紀房氏の描いたドラゴン桜の大ヒットが引き金になっているようです。

ただそれ以降のヒットについての充実感や達成感を会社をバックにして展開する何らかのしがらみを感じ、やるなら後ろ盾のない売れないなら自分の生活もできない背水の陣を引くような会社をつくろうとし、資本金500万円から講談社を離れ独立し起業しています。

プロフェッショナル仕事の流儀では、最新作のインスペクターZという高校生がいきなり投資を行い高校の運営資金を賄うハメになり、最新の投資についての状況をインスペクターZの作者の三田紀房氏と一緒になって投資セミナーの出演者にまでなっている場面が映りました。

もちろん投資セミナーですから、本当の投資についての情報が必要なわけで、投資というテイストを取り入れた娯楽本がありませしてもし良かったらお読みになってもらえませんかなんていう甘いスタンスでは許されません。

インスペクターZの冒頭で高校生が入学式を迎えるシーンの動画DVDに関して、間延びするのでもう少し巻いてコマもカットしてスピード感を出そうと提案している場面がありました。コミック専門店では、何らかの作品のDVDなどが販促のプロモーションDVDとして放映されていると思います。コミック単行本に魅力がなければそれでおしまいですが、売れる単行本についてくる紹介動画ひとつとっても売上を左右する重大なアイテムであることは間違いありません。

原宿にある雑居ビルでCORKと言う漫画家のエージェント会社を起業し経営する佐渡島庸平氏

社員はほぼ同年代のようです。作品の持ち込みで何社も回っていては採用されないような漫画家でも、何か光るものや魅力を見つけたらこれを打ち出して世に知らしめるために自分の生活をかけて売っていこう。そのように佐渡島庸平氏は2年前までは講談社という巨大な出版社の一部として荷役を引き受けていました。そして講談社を33歳で退社します。そんなサポートを蹴って独立しCORKという会社を起業します。

漫画家と直接契約する新しいスタイルのエージェント制の編集者の集まりが生まれたのです。

マンガのヒット請負人が語るプロフェッショナルなセンス

  • 地道を超える魔法などない
  • 魔法の一手を探してなどない
  • みんなが面倒臭がっていることを裏でずっとやり続けている
  • 1個1個丁寧にずっとやっていくことでいつか爆発するんだっていうイメージを沸かす
  • それは必要な作業であり楽しみながらできる。

佐渡島庸平氏の一言ひとことに重みを感じます。88ちゃんねるも地味にコンテンツを充実させようと手探りする中で、佐渡島庸平氏のコメントには強く励まされた気がしたのでした。

「僕の価値は引いているハズレの多さですよ」「それがたぶん誰よりも多い」

佐渡島庸平氏のさりげない一言に鞭打たれる気がします。

漫画家にとって編集者は実際に漫画を描いてくれるわけではないという意味

バカボンドは実に人気のある作品です。宮本武蔵の荒唐無稽な男らしさが実にユーモラスに描かれていることと一旦刀を抜くことでどれほどの命のやりとりをしているという緊張感も含まれている様々な要素から描かれている作品です。

しかし、編集者担当時代の佐渡島庸平氏は歴史上の史実などありとあらゆる応援をしたにも関わらず、バカボンドはしばらく連載が止まってしまったそうです。

佐渡島庸平氏にとって、作家を動かすことはどんなに自分で努力しても最後は作家に委ねることになるんだという編集者の立場を強く感じたに違いありません。

押したい作家さんもピンチになり、編集者はそのピンチが不安でなんとか安心したいと作家さんに「調子どうですか~?」「ご飯でもいかがですか?」などと作家さんの進捗を確実につかんでおきたい心理が生まれるようです。

ところがです!佐渡島庸平氏は締め切りの直前まで電話もしません。

「作家さんを信じ切っている」

人間関係など固定できるものではないものですし、約束は時には裏切られることもあるなかで、マンガ編集者でエージェントの新形式の会社の中信じ切っているというセリフがマイクの前で出てくる場面に筆者はとても熱い思いをしました。

NHKプロフェッショナルでは、漫画家さんが他の登場人物に比べると主役の人物の成長がうまく描き上げることができず苦慮しているという場面が映ります。最後の最後にネームでしょうか方眼紙のラフを読んで、大変いいですと作家をねぎらう佐渡島庸平氏の表情がとても嬉しいように映ります。

佐渡島庸平氏はプロフェッショナルについて、無知の知を掲げていました。自分の知らないことが多いことを常に自覚している。だからプロフェッショナルとは何かを語れない人こそ逆説的にプロフェッショナルなのだと、いかにもインテリジェンスの効いた番組の〆になっていました。

参考リンク他

現在、佐渡島庸平氏はCORKという会社を経営しています。

コルクという社名、なんで作家のエージェント会社がそんな社名なのかというと、もしもワインを後世に残し、世界中に運ぼうと思うとしたら、良質なコルクで栓をする必要があります。

それと同じようにもしも作家の人が作品を生み出し、それを世界中に運び、後世に残そう。そんなふうに思ったらコルクという会社が関わったほうがいい、そんなふうに思ってもらいたいんだと思って名づけた社名です。”

引用元:(色による強調は筆者によります)

『ドラゴン桜』や『宇宙兄弟』といった人気漫画を手がけた編集者の佐渡島庸平氏が、Life is Tech !が主催する教育とテクノロジーの祭典「Edu×Tech Fes 2015」

「講談社を辞めて、なぜ起業の道へ? 『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』の編集者が目指す、出版業界の新たなモデルとは」より 2015年3月1日のログ(*3)

第248回 2014年12月8日放送
NHKプロフェッショナル仕事の流儀  崖っぷちこそ、成長の場所 マンガ編集者・佐渡島庸平

佐渡島庸平氏は、若い女性に認知度を高めるために、数多くの美容室に無料で担当したコミックを配布して拡販のために力を入れたこともあったようです。

(*2)

会社名 株式会社コルク
設立 2012年10月1日
電話番号 03-6455-4266
資本金 500万円
事業内容 クリエイターのエージェント業

(*3)英語ではなくプログラミング言語の存在価値が高まると佐渡島庸平氏は強く感じているようです。以下のリンクもぜひ参考になると思います。

「絶対に学ぶべきは、英語ではなくプログラミング言語」 コルク・佐渡島氏が語る、ネット時代のビジネスチャンスの作りかた