社内PC全履歴管理Sep/椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!を参考に

キャノン電子由来の業務パソコン監視ソフト

http://www.hummingheads.co.jp/sep/index.html より

椅子とパソコンはなくさないで欲しい

『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!』祥伝社黄金文庫は2007年12月に刊行されています。

著者の酒巻 久(さかまき ひさし)氏は元々技術畑の方のようで(*1)、やがて生産管理の部門へ移動になり、赤字部門の企業を黒字化してはまた赤字部門へたらい回しにされながらやがて黒字化に成功するという(自慢話じゃなかった)多彩なノウハウを公開してくれる著作でした。

扱うテーマは多岐に渡りますが、筆者は「パソコンをなくせば」というタイトルだけでビビってしまったのです。これまでさんざんパソコンの新製品やスマートフォンのレビューなど特集しておいてパソコンをなくす主張をするのは筆者はの本意ではありません。今回はセキュリティシステムパッケージSepについての特集です。

パソコン、ワープロ、ファクシミリ、電話の複合機当時50万もした

http://subaru57.exblog.jp/i6 より酒巻氏達が開発に携わっていた当時50万もしたオフィス複合機NAVI

(*1)キャノンという会社は元々Macの日本国内代理店として売っていた会社であり、1980年台NAVIという歴史的なマシンを作ったメーカーとして筆者は興味を持っています。上記の製品NAVIなんとあのジョブズが共同開発を持ちかけていました。当時お値段59万8千円だとか…

とは言えプリンターでシェアの高いメーカーのキャノンにとってパソコンはつきものです。それを「パソコンをなくせば」というタイトルには若干無理や煽りがあります。本を売るための過剰な演出かもしれませんが。。。

ハミングヘッズ株式会社は、国内のソフトウェア開発企業で1999年に設立されています。

同年酒巻社長は、キャノン本社から赴任した1年間は特に人事にも手を出しません。ひたすら社内の様子を観察します。そしてキャノン電子の社内パソコンでの使われ方をも監視します。

やってる大手さんはやってるでしょうが、恐ろしいことにそれぞれの社員の利用するアプリの種類を、参照しているWebサイト、メールの送受信先、メールの添付ファイルの中身に至るまで時系列的に履歴を取ります。

1999年にキャノン電子に就任以来、分析した結果、業務時間内にほとんど遊んでいる社員が!と酒巻社長がお怒りになるデータを裏付ける管理システムは、その後業務パッケージとして活用され、90年台始めから指導していた製品「Sep (Security Platform)として製品化されます。

今回の特集の要として著作から示された2005年ごろのキャノン電子の当時の情報機器類の利用基準について引用したいと思います。(青字は筆者のコメントです。著者酒巻氏とは縁もゆかりもありません。)

2015年の現在の状況と出版された2007年の状況と比較してみて下さい。何かのヒントになると思うのです。

祥伝社黄金文庫『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!』117~118ページ

  • 情報機器はすべて会社から貸与されるものとし、個人の情報機器の社内持ち込みは禁止する。」(当時酒巻社長は携帯電話ぐらいは目をつぶると書いています。スマートフォンをどこまで職場の内部へ持ち込みを許すか線引は困難です。)
  • 個人の情報機器とはPCに接続できる周辺機器、PDA、一部を除く携帯電話などをさす(USBケーブルなども含む)」(USBケーブルがなくてもテザリングやワイヤレスLANやBluetoothでシステムにアクセスできる余地があります。)
  • 携帯電話はPHS、901i移行のFOMAは持ち込み禁止とする」(当時で言う社内LAN以外でインターネットすることを防ごうというものです。現在ではスマートフォンのテザリングやモバイルルーターで接続が可能になりました。)
  • パソコンなどの情報機器の、社員の持ち出しは禁止する。持ち出す場合は、所定の手続きを経て、持ち出し専用のパソコンにて行うこと(会社の支給するK/Bやマウスじゃ効率よく仕事ができないから自腹を切ってでも特別な私物を使いたい方多いのではないでしょうか?)
  • 会社のパソコンの改造(メモリー増設、新規ハード接続などは)情報システム部を通して社長決済とする(社長の決済としたのは徹底的ですね。)
  • 会社のパソコンに標準以外のソフトウェアをインストールする場合には、情報システム部に申請書を提出、許可を得なければならない。(ここまで来ると筆者は息が苦しくなります!)
  • 外部インターネットへのアクセスは上長の判断により社長決済を得るものとする」(お昼の休憩時間くらいなら許してもらえませんか?)
  • 私用のメール、インタネットアクセスなどは禁止する(勤務時間外くらいは…)
  • 以上の基準に沿って正しく情報機器を利用すること。不正私用、悪質なルール違反を行った社員は就業規則に基づく処罰の対象となる(懲戒解雇を含む)」減給や懲戒解雇に陥らないように上の方針に従うのもお給料のうちといったところでしょうか?

Sepのような監視ソフト必須の時代の到来

Sepはキャノン電子が当初販売しましたが、ハミングヘッズに販売が移行され多くの企業や官公庁で採用されています。

PC名、ファイル名、アプリケーション名、アプリケーションタイトル、操作名、ユーザ名、アクセス日時などの履歴が記録

http://www.hummingheads.co.jp/sep/function/log.html より

こういう時代だからこそBYOD(Bring Your Own Device:個人端末の業務での利用)というIT用語も顕在化します。過去にもiPhone関連で特集を組んだことがありました。

2013年10月のことです。
iOS7、「Open Inコントロール」の企業向け機能の効果は?この影で、仕事で使うべきはMDM端末(支給品) V.S. BYOD(私物の持ち込み)とのせめぎあい。

いくら業務で使うパソコンはSepを始めとする管理システムで被害を防いでも自らのケータイやスマートフォンないし、タブレットの持ち込みについての管理は全くもって大変な時代になりました。

Wi-Fiにつないで、企業内システムのデータにアクセスが不可能ではない余地が常にあります。組織における情報システム管理は一弾と難しいものになっています。

『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!』の文庫版の種本で初版に出版された当時は、自宅よりも会社の専用線でネットサーフィンしていた方が快適だったのでしょうし、著作の中にはすっかり死語となったワープロの開発販売の話も登場します。(*2)

2015年となった現在、標的型ウイルスを筆頭に顧客情報や社内データの流出へのリスクは高まる一方で、それに対する対策が急がれています。

高速増殖炉もんじゅ内のパソコンにインストールされていた動画再生プレイヤーをアップデートしようとしたために情報が盗まれたが騒ぎになった事件も記憶に新しいところです。

「家庭でパソコンを使う時間と業務で使うパソコンの仕事とのけじめをつけない社内の体制で効率改善など図れるか?」という酒巻氏の問題提起は至極もっともです。その意図は今にも通用します。例えば業務時間中にネットオークションを落としたり、出品したりする社員は査定で問題になって当然です。

しかし、企業内で運営されるFacebookへの投稿やSNSでのやりとりとなると仕事とプライベートの線引きが一概には引けないと筆者は感じます。

パソコンが支給され利益を上げる以上無駄をなくせば経費は削ることができるという点は多いに納得できるところですし、実際にSepをパッケージとして販売できる商品化に成功したキャノン電子のポテンシャルは凄いものがあります。

著作『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!』の中には、ビジネスマンは後ろ姿にこそ人柄が現れると酒巻氏は書いています。椅子とパソコンで仕事をしているだけに、この言葉から姿勢を正さなければと反省している筆者でした。

セキュリティプラットフォーム ベーシック evolution /SV(サーバ版/クライアント版)

セキュリティプラットフォーム ベーシック evolution /SV(サーバ版/クライアント版) http://www.hummingheads.co.jp/sep/kihon/kihon02.html より

参考

(*2)キャノワード、この懐かしい言葉の響き。NECには文豪が、シャープには書院という名のワープロがしのぎをけずる時代が確かにありました。

ハミングヘッズ株式会社 会社概要

平成23年11月16日に上場会社名モジュレ株式会社はハミングヘッズと事業提携を結ぶに至ります。情報漏洩対策ソフトに関する事業提携のお知らせ
“情報漏洩対策ソフトに関する事業の概要”
ハミングヘッズは、コンピュータプログラムの開発業務及び販売業務を事業内容とし、特に主力製品である情報漏洩対策ソフト「セキュリティプラットフォーム」(以下、SeP)は、2001 年のリリース以来、大手企業、官公庁をはじめ、多くの導入実績を積み重ねており、高い独自技術を有する純国産の製品です。
SePは権威ある情報セキュリティの国際標準規格であるISO/IEC15408 EAL3認証を取得しており、総合的な情報漏洩対策ソフトとしては日本で唯一の製品です。
多国籍企業化しているキャノンだけに、もはやキャノン電子1社の企業の情報機器の利用基準を定めたという話には収まりません。キャノン系列の会社をあげて、様々な組織の電子端末の利用実態に合わせて個人顧客や他社へ販売する商品パッケージを多々展開しています。
以下はほんの一例です。