ICO -この人の手を離さない。霧の城からの脱出ゲーム-

ICO -この人の手を離さない。霧の城からの脱出ゲーム-

名作と言われて思い浮かべるゲーム作品は何ですか?
個人的に家庭用ゲームで名作を3本上げるなら、
「幻想水滸伝Ⅱ」「モンスターハンターP2G」、
そして今回紹介する作品である「ICO」です。

どんなゲームなの?

「ICO」は2001年にPS2で発売されたアクションアドベンチャーゲームです。
キャッチコピーは「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」。

謎の古城に生贄として連れてこられた少年イコが、
そこで出会った言葉の通じない少女ヨルダと手を取り、
彼女と一緒に古城から脱出を目指すと言うのが主な話。
様々な仕掛けを解きながら脱出経路を切り拓いていきます。
始めヨルダは塔の檻に閉じ込められており、
城内を跋扈する黒い影に狙われています。

そして城内の扉などの仕掛けはヨルダにしか解除することができません。
しかしヨルダは華奢な少女です。
イコ程に身体能力に秀でる訳でもなく、
黒い影から身を守る手段も持っていません。
なのでヨルダの手を握り、時には影と戦い、またある時はヨルダでも通れる道を確保して、
一緒に外の世界へ向かいます。

ICOの魅力

・魅力その1「静寂の城」

ゲームにおいてBGMはとても大切です。
その音楽を聴くだけで、
プレイした当時を思い出すことができる曲もきっとゲーマーの数だけ存在するのでしょう。
しかしICOではBGMがほとんど存在しません。
プレイしていて大くの時間を風の音など環境音を聞いているでしょう。
正直どんなBGMがあったのか思い出すのが難しい程のレベルです。
無人の城は静寂に包まれており、不思議であり不気味でもあります。
その静けさこそがICOらしさの1つなのだ。
1/fゆらぎの効果なのだろうか、とにかくプレイしていて気持ちがいいです。
そしてそれが1つの個性になっています。
風の音・鳥の鳴き声・反響する足音など、雰囲気が堪りません。
是非イコとヨルダの息遣いを感じて頂きたいです。

・魅力その2「言葉が通じないジレンマ」

コミュニケーションの媒体として、「言葉」「言語」「声音」「表情」「しぐさ」「フェロモン」などがある。
ゲームでは特殊な場合を除いてフェロモン以外の要素でコミュニケーションを取るだろう。
ICOでは最初から最後まで、イコとヨルダは互いの言葉を理解していませんでした。
簡単な言葉や名詞は何となくで解っていたのでしょうが、
その多くを理解していたとは思えません。
しかしながら二人の中には確実に「信頼」と言う感情が存在していたと断言できます。
身振り手振り、そしておそらくは表情などでなんとなく言いたいことが伝わったのでしょう。

ゲームだからと言えばそれまでですが、見ず知らずの人の為に命を懸けることができますか?
言葉も通じず、身体能力も低く、更に不気味な影に襲われている人を助けますか?
(まぁヨルダが美少女なので助ける以外の選択を選べないのは認めますがw)
リアルの現実世界では様々な言語が溢れています。
日本語1つでも様々な方言や古語が存在し、
常に言葉は変化しています。
言葉が解らない時に殆どのヒトは意味を理解しようと感じ取ろうと努力します。
理解したいし、理解されたい。
そんな言葉の枷から解き放たれる体験をICOで体験しませんか。

凝縮された時間

ICOはハッキリ言ってプレイ時間が短いです。
大体10時間程でエンディングになるでしょう。
終盤からエンディングまでは、
ゲームの仕様上セーブができないので駆け足にならざるを得ないですし。
(ICOではマップに配置されている椅子にヨルダと二人で座らないといけない。)
謎解き要素が得意な方なら更に数時間単位で短くなると思います。
特典が解放されるので2週目はプレイしてほしいですが、
ギミック自体は変わらないの直ぐにクリアできるでしょう。
(ヨルダが2Pで操作できたりセリフに和訳された字幕が付くなど。)
ただクリア後の充実感とでもいいましょうか、
余韻がとても気持ちがいいです。
最近のゲームはクリアまでの時間もそうですが、
クリア後の要素で如何に長く遊ばせるかを頑張っている感じがします。
それがランダム要素の塊で物欲センサーを刺激するガチャ要素だったり、
追加シナリオや追加ステージなどのDLCであったりします。
ICOは発売してもう15年以上経つので、
現在の環境と当時は違いますが、かなりスッキリしています。
シナリオやアクションが重要なゲームだと、
数日間プレイしないだけで、
ストーリーが頭から抜け落ちたり、指の感覚が鈍く感じることが有ると思います。
ゲームをプレイする時間も歳を取るとなかなか確保しにくくなるし、
ゲーム体力というかプレイする集中力も落ちがちです。
そういった面でもおススメできます。

プレイ動画の視聴は推奨しない

ニコニコ動画やyoutubeを始め、
ゲーム実況やまとめサイトが数多く存在する今日この頃。
実際にプレイしなくても大まかなストーリーやエンディングを知ることができます。
それに対して悪いとも思いませんし、
著者自身も利用しているのであまり大きなことは言える立場ではありません。
しかしICOに関しては実際に自身の手でプレイしてエンディングを見て欲しいです。
ICOをクリアした時の余韻は実際にプレイしないと解らない類だと断言します。
謎解きに四苦八苦したり、襲いくる影に怯え、ヨルダの行動にヤキモキしつつも萌えたり。
思い通りに進行できずにイライラもするだろう。
でもすぐそこに手をつないだ感覚が存在すると思います。
そのエモーションは実際にプレイしなくては100%伝わりません。

まとめ

恐らくICOをプレイしたユーザーの多くは続編は要らないと言うだろう。
それだけ綺麗にまとまり消化されるゲームです。
少しでも世界観を広げたいと思ったのならば、
直木賞作家の宮部みゆき女史が手掛けたノベライズ作品を読むか、
ICOのゲームデザインやディレクターを務めた上田文人氏が手掛ける作品をプレイすると良いかもしれない。
(「ワンダと巨像」と「人食い大鷲トリコ」の二作品)
ICOを始め上田氏の作品は名作しかありませんが、
人を選ぶのもまた事実です。
独特の雰囲気と多くは語らないゲームデザインは好きになればとことんハマると思います。

余談

ICOは今でこそ評価も知名度も高いですが、
イロイロと事件や黒い話も存在します。
GNU General Public License(GPL)違反に対してのシカト問題や
ソースは不明ですが上田氏曰く、
「エロティックなものをいかにオブラートに包んで表現するか、
それをイコのテーマにしました」発言など。
検索すればイロイロと出てきます。