キシモト干物のまるとっとが骨まで食べられる秘密は?ガイアの夜明け

骨まで食べられる干物のイメージ図

http://www.kishimoto-web.com より 産官学の提携から生まれた干物に革命が!

骨まで食べられる干物に注目!

骨まで食べられる干物が高齢者施設の食卓や学校給食で流行しつつあるのをご存知ですか?

ガイアの夜明けでは、魚の干物を高齢者がまるごと骨まで食べ、小学生までが美味しそうに食べる場面が映されていました。まるとっとブランドの干物のようです。そんな干物の秘密とは?!

ちなみにブランド名の由来は、「まるごと」+「とっと(地元の方言でいう魚)」を足した語呂合わせからだそうです。

塩味みりん味バジル味の鯵の干物が骨まで食べられるパッケージ写真

http://www.kishimoto-web.com/original8.html より

26万トン/年も食べられた年もありましたが、やがて2012年には17.8万トンまで国内の消費量は減少していく傾向です。やはり魚には骨がつきものです。よくスーパーで売られているアジの開きを食べる時大抵骨は残ります。この骨こそ魚離れの大きな要因になっているでしょう。

産官学+消費者と共同の干物づくりが功を奏す

株式会社キシモトは創業1966年・従業員35名の会社です。当初、水産会社として岸本社長は骨を取ることばかりに夢中になっていたそうです。売る側サイドでさえも、魚を食べてもらうには骨を取り除くことに注意を削がれていたのでした。

それが骨ごと食べられる魚をつくってくれないかと愛媛県産業技術研究所と聖カタリナ大学の介護福祉学部から依頼を受けたところからヒット商品を生む種をもらうのです。

愛媛県産業技術研究所(官)と聖カタリナ大学(学)と高齢者施設・障害者施設(消費者)と協同でニッチな商品作りを連携させる経営には見習うべき点も多いのではないでしょうか?

魚については東京から愛媛に戻った後で1から学ぶ

さて、干物について商学部卒の社長は都会の商社勤めより家族の会社に戻ります。

元々は椎茸などの乾物からのスタートで、海産物を始まるにあたり乾燥機を買うに至るも、魚の干物づくりは手探りから始めたそうです。

魚についての素人で、愛媛県産業技術研究所へ足を通いで干物について学びます。研究所主任さんからもうこれ以上ないというレベルまで研究に勤しんだそうです。

意外なことでしたが愛媛県の水産会社といえば港の付近に立地してそうですが、株式会社キシモトは山の麓に立地し、良質の水を使い衛生管理に細かく気を使います。

産官学+消費者との共同により骨の軟化技術を開発した株式会社キシモトは高齢者向けにも子ども向けにも魚が嫌いにならない魔法の干物を作る技術を開発するに至ります。

ハワイの現地で美味しく食べてもらう挑戦

テレビでは詳しく触れませんでしたが、愛媛県挙げてのハワイへの県の物産展だったのですね。県のHPを調べてみると、

愛媛県とハワイ州姉の妹提携10周年記念イベント事業の一環として、昨年度実施したフェアが好評であったことから、この成 果を一過性のものに終わらせることなく、愛媛県産品の販路拡大と愛媛の認知度向上を図るため、本年度においても以下のとおり愛媛県物産展「愛媛フェアin ハワイ」を開催します。

時期:2014(平成26)年11月18日(火曜日)~24日(月曜日)

場所:マルカイ・ホールセールマート(メイン会場)/マルカイ・マーケットプレイス

主催:マルカイ・コーポレーション・ハワイ(Marukai Corporation Hawaii)

共催:愛媛県、愛媛県地域貿易振興協議会

とありました。それで愛媛からハワイへと話がつながるわけです。

干物加工用大釜の写真

http://item.rakuten.co.jp/hachimitu-create/himono-renko/ より

ガイアの夜明けでは「まるとっと」をハワイで愛媛の地産品フェアを開きたいとマルカイ・ホールセールマートのバイヤーが株式会社キシモトに働きかけ、ハワイで売れるまでの様子が映されていました。

ハワイの高級魚だけにハワイの魚シイラ(マヒマヒ(mahimahi)スズキ目の海水魚で全長約1m以上あり暖海に生息しています。)

小型のサイズながら試すシイラは75cmもありました。重さが2.5kgもあります。

通常の大きさの干物では対応できないサイズのために、まずは開きにせずに折り曲げて釜に入れ126度の熱と圧力をかけます。待つこと1時間半。

ところが、中の水分が出てしまい(離水して)、味も落ち、中の骨は硬いままです。

そこで、岸本社長はシイラを筒切りにして再び126度の釜に入れてみます。骨まで食べられる仕上がりに。これで商品化の目処がつきました。

上記の写真のような巨大な釜でスチームの高温高圧で包装したまま干物をかけます。

魚の種類に応じて温度管理と時間管理が必要で最適な加工技術を生み出すまでに一苦労しているはずですが、当初からの社長が苦労話を打ち明ける光景はテレビでは見られませんでした。

ハワイでの愛媛県の物産展で試験販売

ところがハワイで試食してもらうと味が薄い、塩味がほしいとなかなか買ってもらえません。そこで社長が現地の飲食店での食べ方を食べ歩きしつつ見学します。味付けはマヨネーズやトマトソースをフライで食べていることに気づきます。

持ち帰ってバジルソースで味付けして、クラッカーにトマトを添えて試食してもらったところ現地で好評になり、たくさん売ることができたのです。

(シイラ(マヒマヒ)1パック4.96$という表示が見えました。)

社長は現地のバイヤーに認められテスト販売してもらうチャンスをバイヤーから再度持ちかかけられるのです。2014年12月にはテスト販売が始まります。

岸本社長は干物で世に広く躍り出たいと抱負を語り、日々干物のさらなる品質改良に携わり続けます。(70才を超えているとは思えない社長の表情はとても若々しく映っていました。)

まるとっとが国内のスーパーに海外のお店に並ぶ日がいつかくる?!

楽天のサイトなどまるとっとは広く販売されているのです。認知度が上がることで全国の店頭で手軽に手にとることができるようになるかもしれません。

愛媛県の給食から全国の給食に骨ごと魚が食べられるように広まることで、お年寄りや子どもにまで良質なカルシウムが摂れて、健康増進にもつながりますね。魚の消費量を底上げする鍵となる企業の1つであることに間違いありません。

参考)

株式会社キシモトが支援を受ける図解

http://j-net21.smrj.go.jp/expand/noshoko/fundjirei2012/fundjirei2012.pdf より

  • 四国びと 山のふもとの干物屋さん インタビュー記事 /掲載日:2013年1月29日
  • 日刊水産経済新聞他多数の媒体で取り上げられています。(2011年11月11日)