クローズアップ現代/国内アニメの海外展開2極化?!作り上手売り下手?!

図表1-2-3-23 日本アニメの海外展開状況平成25年のグラフ2005年をピークに減少していたが、2010年に前年度比で市場が改善する傾向がみられ、2011年時点では約85.5億円規模

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h25/image/n1203230.png より

平成25年版 情報通信白書のポイントから「我が国のアニメにおける番組販売」(周辺ビジネス展開)り。

クローズアップ現代2015年2月23日午後7時半より放送されたテーマのタイトルは『アニメ輸出における新戦略とは? クローズアップ現代にて「逆襲なるか 日本アニメ ~海外輸出・新戦略の行方~」』でした。

アニメーション制作における標準化差別化へ2方向の展開

2005年のポケモンブームは作れば売れるというような流れに日本のアニメーション業界はそれに応えるだけで売れていたのが、グラフで分かるように2011年にはおよそ半分になってしまっています。

クールジャパンと海外から支持されている文化としてのアニメーションと産業としてのアニメーションには隔たりがまだ根強くあるようです。

アニメーションの標準化とは?

日本の原作アニメーションを相手の国の文化背景に合わせたものにリニューアルしたり、場合によってはストーリーをも変えてしまいます。流血シーンを減らしたりするなど子どもへの影響に極力配慮しマイルドな表現にしていく工夫のようなものですね。

イタリアの国民に愛されるように『ルパン三世の赤』や緑色の服を青にしたり、ワインやサッカーのモチーフを入れ込むことなどが、トムス・エンタテインメント戸塚麻美海外営業部長を中心に解説されていました。

『ルパン三世』がイタリアで受けた、なのに日本ではまだ見ることができないそんな悔しさを煽るとも発言がありました。

こうした流れを受けて、ドラゴンボールの次の映画『ドラゴンボールZ 神と神』は世界7カ国、字幕こそ違うでしょうが作品内容は同一で勝負のようです。

http://www.capsulecomputers.com.au/2013/04/daisuki-is-japans-first-legal-anime-streaming-service/より

http://www.capsulecomputers.com.au/2013/04/daisuki-is-japans-first-legal-anime-streaming-service/より

ワンストップのアニメーション配信会社は生まれるか?

上の図に現れているDAISUKIは

  • 株式会社バンダイナムコホールディングス
  • 株式会社海外需要開拓支援機構
  • 株式会社アサツー ディ・ケイ
  • 株式会社アニプレックス
  • 株式会社サンライズ
  • 東映アニメーション株式会社
  • 株式会社トムス・エンタテインメント
  • 株式会社日本アドシステムズ
  • 株式会社電通

とそうそうたる顔ぶれの会社が軒を連ねる会社です。これを吸収したのがアニメコンソーシアムジャパン(ACJ)です。DAISUKI株式会社を吸収合併し、その事業・サービスを引き継ぎました。

代表取締役社長: 鵜之澤 伸氏は5年10年20年を見据えたビジネスモデルと豪語します。

プラットフォームができても、認知されないかぎり会員数の伸びが期待できません。

http://www.daisuki.netが用意されていますが、海外からのアクセスでないと、どれくらいの豊富さを用意したネット配信なのかわからないのがもどかしいところです。

daisuki.netの日本からアクセスできるページ

http://www.daisuki.net/sushininja/jp/ より

上記のようなアニメはほんの1例で、あまたのネット配信が用意され海外ユーザーが興味を持ち月額課金などで株式会社アニメコンソーシアムジャパンへ収入がわたり、やがてはアニメ制作会社へと還流される流れになってくるのを期待しているようです。

それでも広告会社の電通が加わっていることからアニメーション制作会社の中間コストを抑える戦略が難しいという場合もありそうです。

アニメーションの差別化

ポリゴン・ピクチュアズの社内イメージ

http://wired.jp/2014/07/11/cha2014-2/より

クローズアップ現代で、アニメーションの標準化と対照的な例として挙げたのが、ポリゴン・ピクチュアズ制作の手法です。もともと3DCGの下請けをしていた会社は設立30周年記念作品として、原作 – 弐瓶勉(講談社「月刊アフタヌーン」連載)の人気作品『シドニアの騎士』をアニメーション化するに至ります。

高度な3次元CG作品でありながら2次元CGの質感のクオリティを持っている仕上がりで熱烈なファンも多いのですが、毎日放送 アニメイズム2014年4月から6月まで放送第1期の深夜放送ではなかなか収益がでなかったそうです。塩田周三代表取締役は、

この業界は自由な風土がありとんがっているために、トランスレート(翻訳)してもその中で一歩抜きん出た作品は世界から支持をされる

と踏みます。

NETFLIXという大手配信会社と契約を結び、アメリカ等の多くの視聴により収益を上げたそうです。

(第二期『第九惑星戦役』が2015年4月より放送予定)

また塩田氏は、2008年米国アニメーション専門誌 Animation Magazine選考で「25Toon Titans of Asia(アジア・アニメーション界の25傑)」の中に選ばれる実力者でもあります。

くまのプーさんをCGアニメ化したテレビ作品「プーさんといっしょ」や「トランスフォーマー プライム」を手がけた国際性豊かなポリゴン・ピクチュアズだからこそ、アメリカのネット配信事業であるNETFLIXに可能性を見出したのかもしれません。

ネットフリックス、アメリカ合衆国のオンラインDVDレンタル及び映像ストリーミング配信事業会社

https://www.netflix.com/より

映像配信会社のNETFLIXは本社がカリフォルニア州ロスガトスにあります。映像ストリーミング配信では、全世界で50カ国4,040万人の加入者がいるのです。日本の最新型の大型テレビのリモコンにはNETFLIX専用のボタンが付いているモデルがあり、これからのメインストリームとして期待される企業です。

国内アニメが海外で成長するために

海外を見据えてオリジナルをアレンジして視聴者の文化事情に寄り添うアニメも、いわばカバー作品として面白いかもしれません。

あまり独創的になり過ぎて理解されるまで時間がかかって制作会社が費用を回収できないというのも困ります。

今後も爆発的なヒットを狙い関連グッズや流通とのコラボ等制作会社にもマネージメントの必要とされる場面は多くなるばかりです。

電通コンサルティングシニアディレクターの森祐治氏は、

「制作と販売を総合的に見渡すことのできる人材プロデューサーがますます必要になってくる」とまとめています。

日本のアニメーションが売れ行き好調というニュースは再びやってくるのでしょうか?