ガイアの夜明け/移動スーパーとくし丸が高齢者に評判!買い物難民に光

会員制でも会費制でもない移動スーパーの様子軽トラックに品物が一杯

http://www.kyoei-group.co.jp/tokushimaru/ より

近所にスーパーがなくてバスで30分もかかる買い物難民に救いの手

ガイアの夜明けの放送の中では近くにあったスーパーが大型ショッピングセンターの影響を受けてしまい最寄りのスーパーがなくなってしまいました。それでお年寄りが野菜を買うのにバスで30分かけて通うという例が紹介されていました。これでは日常生活もままなりません。

そんな状況がある中で、2015年3月3日放送の日経スペシャル「ガイアの夜明け」では

売れる地域スーパー!驚きの新戦略と題して大手スーパーに真似のできない中小スーパーの新たな動きが特集されました。

いちやまマートというスーパーが紹介されていて、ここは開発したナショナルブランドよりも工夫と安心安全で開発し単価も高いながらもプライベートブランド『美味安心』を大ヒットさせます。他のスーパーにも商品を提供し、違う系列/他店でありながらも売り方の指導アドバイスまで行う山梨・甲府市を中心に12店舗を展開する「いちやまマート」の話題が前半です。

後半は株式会社とくし丸が「お年寄りのコンシェルジュ」とまで喜ばれる軽トラックを約300万をかけて改造した移動店舗が地元のスーパーと協力関係を持って徳島県を出発点に話題になっている様子の2本立てです。

「移動スーパーとくし丸」について今回は掘り下げてご紹介したいとおもいます。近くにお店がなく買い物に困っているお年寄りの近くに直接お店がやってくるその様子とはどのようなものなのでしょうか?

全国チェーン竜鳳の提供する移動店舗のイメージ図

http://www.ryuho.co.jp/works/movement.html より

移動スーパーとくし丸のドライバーさんは実は個人事業主、売れば売るほど収入も上がる

移動して販売する店舗はそれほどはあまり見かけません。上の写真は、やきとりの全国チェーン竜鳳の移動販売のものです。例えば、龍鳳では小資本でオーナーになろうというキャッチコピーとともに美味しいやきとりをショッピングセンターなどの一角で対面販売しています。移動店舗という業態こそ同じですが「やきとり」という商品に絞っています。

とくし丸は、竜鳳と同じような移動型店舗ですが、商品アイテムの数に大きな違いがあるのです。竜鳳では、やきとりのみを販売していますが、とくし丸では、店舗スーパーのように生活に根ざした多種類の商品を販売しています。

 

改造軽トラックに詰め込まれる商品のアイテム数は駅のキオスクを想像させるほど

商品アイテム数が300~400、点数ではおよそアイテムは1,000点にも登ります。週に2回、3つのコースを巡回し、1日の売上はおよそ10万円です。

移動スーパー「とくし丸」は、軽トラックを使用し積み込んだ商品は、約400品目、約1,000点

http://www.tokushimaru.jp/about/ より

生鮮食品からお刺身、めんつゆなどの調味料からチョコレート、ケーキまで、小さなトラックに一杯積んで買い物に遠出しづらいお客様の近くまでやってくるのです。

株式会社とくし丸と、地元のスーパー、移動スーパーのドライバー兼店員の3者が協力関係を持ちつつ地域を巡回していきます。

移動スーパーのドライバー兼販売員はお店からの雇用関係ではありません。独立した個人事業主となります。

月収に手取り35万円稼ぐ個人事業主もいるそうです。

その個人事業主がとくし丸の改造トラックの扱い方や販売方法を(いわゆる看板代と売るノウハウ)をもらい、仕入れと返品を地元スーパーが請け負ってくれます。在庫管理や廃棄ロスの防止に役に立つなかなか優れたビジネスモデルです。

既存の宅配事業との違い、近所の八百屋で買い物をしているかのように利用できる

 

コープ/COOP(消費生活協同組合)は宅配の老舗ですし、大手スーパーのイトーヨーカドーやイオンなどが既にネットスーパーを始めています。

ただ、お年寄りにとっては組合に加入するのも何か窮屈だったり、ネットで注文するのも敷居が高いため、直接お店が近くに来てくれる方が助かる事情があります。

移動スーパーとくし丸は、コープ宅配やネットスーパーと大きく違うところがあります。それは、チラシやネットのページの中から商品を選び、買う人が自ら注文を入れるわけではないことです。

移動スーパーとくし丸は改造された軽トラックの中に地元スーパーから商品を豊富な商品を積み込んでミニスーパーのような品揃えで巡回し、買う人の目の前に並べてその場で商品を選べることができるのです。そこに大きな違いがあります。

今までの宅配注文方式であれば、どのパックのお刺身を買うか目の前で確かめて選ぶことは困難でした。

しかし、テレビではお年寄りが何種類かのお刺身パックの中から1つを選ぶ場面が映し出されます。地元の中小のスーパーが一枚噛んでいるから実現できることです。

とくし丸のポリシーその1 「+10円ルール」

お客様のすぐ近くまで店舗を移動してもらうためには、ガソリン代に始まり人件費や改造軽トラックのメンテナンス費用等にかなりのコストがかかります。しかし、それを高い値段にして消費者に押し付けたら、お客は離れていきます。

とくし丸は、地元のスーパーと提携することにより商品調達のコストを下げることができます。売れ残りの商品もスーパーに買い取ってもらうのです。

利用者には各商品のスーパーの売値+10円を負担してもらうだけです。30個も商品を買ったとしても全部の値段に300円足して支払うだけです。

送料は別途x00円かかります、x千円以上お買い上げの方は送料無料というような一般的な通販の送料/利用料と仕組みが違います。

便利でも高いわけではありません。

とくし丸のポリシーその2 個人商店の半径300m以内には出店を避ける

株式会社とくし丸の事業目的に職を作る(社会貢献型の仕事創出)ことを掲げています。そのために、地域のお店をとくし丸が潰すようなことを避けるために、番組では徒歩圏内では営業しないルールが説明されていました。

中小スーパーの決断!守り守りからのジリ貧から攻める戦略に「移動スーパー」を採用

人口およそ36万の和歌山市にあるスーパーサンキョーは大型店に売上を奪われて、売上は一番高かった時期に比べると約半分にまで落ち込んでいました。

大型店との値下げ競争を続ける守りの姿勢の限界を感じて、なんとか対抗策を取ろうとします。

移動スーパーとくし丸を採用することが大型店との差別化になり攻めの経営に結びつくかもしれないと決断します。

今回のガイアの夜明けでは和歌山市のサンキョー 楠見店が初めてとくし丸の移動スーパービジネスに挑戦する姿が映しだされます。

幹部社員達の会議の光景がありました。社長から移動スーパーという新事業を担当者に任せようとします。担当者はいい顔をしません。移動スーパーで採算が合うのか不安を感じていたのです。

まずは売り場を知ろうと徳島県内に店を構えるスーパーキョーエイ 羽ノ浦店の移動スーパーの様子を見学します。

キョーエイではとくし丸仕様の改造トラックを13台台も用意し、その移動スーパー事業で月に2,000万円以上も売り上げがあるのです。

徳島県で13台の移動スーパーが巡回しているマップイメージ図

http://www.kyoei-group.co.jp/tokushimaru-patrol/ より

お年寄りが1回の買い物で1人で4千~6千円も買っていたり、あいまいな商品名を言って探そうとするお客にも、ドライバー兼販売員はすぐに「この商品ですね」とお客様がいつも買う定番商品を覚えています。

移動スーパーとくし丸は軽トラックですから狭い路地も通れます。駐車する場所がなんと一軒家の敷地から敷地で店を広げています。そこに何人ものお年寄りが買い物にやってくるのです。

そんな光景に和歌山市のサンキョー楠見店の担当者は移動スーパーへの可能性を少しずつ感じ始めるのです。

既にサンキョーのWebサイトでは2014年12月17には移動スーパーとくし丸スタートの告知が行われていました。

2015年2月19日より和歌山市のスーパーサンキョーが移動スーパーを始める

http://www.39sankyo.jp/tokushimaru より

サンキョー楠見店はまず年明けの2月6日には移動スーパーを始めることを知ってもらうために、改造軽トラックに品物が積まれた様子のチラシ巻きや、かつての常連さんへの連絡先をチェックします。

サンキョーがとくし丸の事業を始めた頃、見込み客が足りずに困っている場面が映っていました。採算ラインは1日あたり30人の来客が必要です。とくし丸担当者の表情は厳しそうでした。

サンキョーの2月19日移動スーパーとくし丸スタートの日

なんとか初日30件回り、7万4千円の売上を達成することができ、ひとまずいい滑り出しで始まります。

そんな中、心を打つドラマのような場面がありました。

最初に移動スーパーの打診を受け不安を感じたサンキョーの担当者でしたが、やるからにはどうしてもここで移動スーパーを開きたい場所があったのです。

それはサンキョーの創業地だった一角でした。2007年に閉店を余儀なくされた場所に移動スーパーが到着します。

最初は移動スーパーとくし丸のスピーカーからの呼びこみにも誰もお店の前には現れません。サンキョーの社員達は不安になります。

ところが、しばらくして1人、また1人と集合住宅から年配のお客様が顔を出します。

そのお客の中にはスーパーサンキョーの創業地でかつての常連さんがいました。

映像では、一旦は閉店してしまったが、創業当時よく通ってくれたお客様の顔を見つけて、石原創業者社長が「以前来店してくださったあなたの顔をまだ覚えていますよ」と感激しながら声を掛けていました。

スーパーサンキョーのこうした様子を見守っていた株式会社とくし丸の住友達也社長が「地域の中で地域を解決する」と発言していたのが印象的でした。

移動スーパーとくし丸との連携により中小スーパーの弱体化に効果は?

大型スーパー負けないように中小スーパーは必死です。移動スーパーとくし丸と連携することで、大型店に対する対抗策の1つになりそうだと他のスーパーからも注目されています。

店舗の大型化ばかりが売上につながるとは限らない。移動スーパーとくし丸というビジネスモデルにそんな印象が残りました。

参考)

とくし丸の名前の由来は、「徳島」を動詞にする「徳島る」であり、「篤志家」の「篤志丸」でもあるそうです。

全国の地域スーパーと提携し、移動スーパー「とくし丸」の ネットワークが拡大中

http://www.tokushimaru.jp/zenkoku/ より 全国に販売パートナーを募集中

株式会社 とくし丸(設立2012年1月11日)

  • 代表取締役 住友達也
  • 所在地 770-0865 徳島県徳島市南末広町2-95 あわわビル4F
  • 資本金 1000万円
  • 電話 088-612-7028
  • メール t@sumitomore.net

株式会社サンキョー

  • 創立昭和49年11月
  • 資本金3000万円
  • 〒640-8464 和歌山県和歌山市 市小路308-1
  • TEL:073-455-7766
(平成23年 7月CGCグループに加盟していることからも商業集積のためにスーパーのチェーン店として横のつながりを求めていることが伺えます。)

株式会社キョーエイ

  • スーパーを始めとする徳島県47店舗を展開
  • 創業1958年
  • 資本金96,000千円
  • 所在地 本社 〒771-0198 徳島市川内町加賀須野463番地15
  • TEL088-665-9001(代表)

テレビ東京系列2015年03月03日放送 第655回 売れる地域スーパー!驚きの新戦略