開頭手術を行ったプロボクサーが死亡 デビュー戦の悲劇

東京・後楽園ホールで12月20日に試合を行った岡田哲慎選手(21歳・ランドジム所属)が、1月6日に亡くなりました。岡田選手はスーパーフライ級の選手であり、この日がプロデビュー戦でした。ボクシングは非常に危険なスポーツです。


TKO負けした時の怪我により、急性硬膜下血腫で意識を失った岡田選手は直ぐに病院により開頭手術を行いました。しかし、1月6日に岡田選手のボクサー生命と共に人生も幕を閉じてしまいました。

国内で行われた試合では2010年2月以来の死亡事故とされており、日本のボクシング団体「JBC」が1952年に発足してから、38件目の試合による死亡事故とされています。

ボクシングは相手の上半身全てを殴る競技ですが、基本的には頭部への攻撃が多数です。なぜならば、人がダウンをする時は一時的に「脳震盪」の状態を起こすからです。ですからボクサーは常に命をかけ、寿命を削りながら試合を行っているのです。

強烈なパンチで一撃ノックアウトよりも、小さなダメージの蓄積の方が脳に後遺症を与える事が分かっています(パンチドランカー症状)。日本人選手は体格の小さな人が多いので、どうしても体重の軽い階級に人が集まります。

体重が軽ければパンチの威力も弱くなり、その分ダウンの確率も低くなりますので、結果何度も脳にダメージを蓄積していく結果となります。

アマチュアはヘッドギアをしますが、ヘッドギア越であっても、打たれれば打たれる程、直接ではないにしろ、脳にダメージが蓄積されていきます。アマチュアでも命を失う人は少なくありません。

命をかけてまでなぜボクシングをするのか、競技に興味の無い人には理解出来ないと思います。しかし、ボクシングに魅了された人々は、命を失っても、リングに上がりたいと、常日頃練習に励んでいます。

岡田選手の事故は非常に残念です。ですが、常日頃忘れかけていた「ボクシングは命がけである。」という事を、ファンならずとも一般の人にも再認識させる事件となりました。

よく「レフリーが止めるのが早い。」という声を聞きますが、この様な最悪な事故を防ぐためでもあるのです。

一ボクシングファンとして、経験者として、プロのリングでなくなってしまった岡田選手のご冥福を深くお祈りしたいと思います。